育児&大人の成長

中学校のPTAバザーって必要?費用対効果で考えてみた。

今年、私は娘の中学校のPTA役員に当たっています。

委員の年1度の大きな仕事として、恒例のバザーがあり、私も前日から値段付けや陳列などの準備、当日もレジ担当や片付けに当たりました。

娘の中学校はマンモス校なので例年たくさんの提供品が集まり、売り上げ・収益もかなりのものとなっています。

しかし、実はこのバザーも近年、規模縮小・廃止案がでているそう。

私は役員といってもヒラなので運営について詳しくは知りませんが、最近は不用品はメルカリやリサイクルショップで気軽に売買できる時代。

中学生の保護者ともなるとほとんどの人が働いている中で、多大なマンパワー(今回もおよそ70人体制でした)を割いて実施すべきなのか?という疑問の声が上がっているようです。

私も実は今までバザー運営はもちろんのこと買いに来たことすらなかったのですが、今回初めて参加してみて、じっさい費用対効果はどうなんだろう…?と考えてみました。

バブルス
バブルス
”費用対効果”というとそれらしく聞こえますが、まあ要するに損得勘定ですわ!

関西人やさかいに。

こんな時だけわざとらしい関西弁ですわ。

PTAの収益面から考えたメリットとデメリット

まず、運営する側(PTA)のメリット・デメリットを、費用対効果で考えてみます。

商品は生徒の家庭や地域から回収するので、仕入れはゼロ円です。

宣伝広告費も、商品提供は各自治体の掲示や回覧で呼びかけ、告知も回覧でするので、必要なのは印刷の紙代とインク代くらいです。

会場代や光熱費も、学校の体育館を借りられます。

陳列用のシートや机も学校のものを使用、電卓やハサミなどの備品・消耗品も毎年使い回しているのでほぼ無料。

いっぽう、私の担当したレジでは約5万円ほど売れましたが、全部でレジは6列なので、単純計算で30万円ほどの売り上げがあったと考えられます。

支出がほぼゼロで1日30万円売れれば、なかなかの商売ですよね。

過去には収益でプロジェクターや運動会用テントなど大型の備品や図書館の本を購入し、子どもたちと保護者のためにとても役立っています。

 

しかし!

 

お気づきだとは思いますが、こちら、人件費がいっさい計上されておりません

もし、この準備と運営を有償でやったら、ざっと以下のような計算になります。

  • 一般役員の労働時間
    打ち合わせ2時間+前日準備2時間+当日4時間=計8時間×50人
  • 実行委員の労働時間
    上記に加え打ち合わせ・書類の準備・両替など約12時間=計20時間×20人

で、仮に時給1000円だとすると、なんと人件費80万円!

大幅な赤字…どころの騒ぎじゃないですよね。

毎年50万円のマイナスが出る計算です。一般企業なら即刻事業取り止めでしょう。

しかし、PTAのバザーはこの部分を無償にすることで収益を生み出しているんですね。

もし、「子どもたちのため、全保護者から1000円ずつ集金します」と言えば猛反対が出ると思いますが、「10時間程度なら時間と労働力を無償提供してもいいですよ」という人はぜひご協力下さい!というのが、現在のバザーの姿というわけです。

バブルス
バブルス
ただ実際は、付き合いなどに配慮して、提供が難しくてもせざるを得ない人が多いような気も…。

バザーをお手伝いする人のメリット・デメリット

次に、今回の私のようにPTA役員としてバザー商品の収集・設営や値札付けなどの準備・当日の販売スタッフなどを手伝う人にとってバザーは有益なのか?

を考えてみます。

ボランティアでバザー運営するデメリット(失うもの)は

いま、公立の小中学校で、自ら希望してPTA役員をする人ってどのくらいいるのでしょうね。

私の周りでは、片手で数えられるほどしか出会ったことがありません。(本当にありがたいです。)

一度役員を経験したら第2子以降は免除という仕組みがあるので、「それなら気の合った人同士でやっておこう」と話し合って立候補してくれる人たちは時々います。

しかし、それも役員の仕事そのものがしたいというよりは「くじ引きで当たって見知らぬ人と役員をやるかもしれない」という賭けを子どもの人数分繰り返すよりはマシ…という、次善の策として選んでいることがほとんどです。

そんなわけで私も、進んでというよりは、人数的にいつかやらなくてはならないので引き受けた次第です。

本部役員ではないのでそこまで仕事は多くないですが、やはり今回のようにバザーなどがあると8~10時間は仕事を中断することになります。

それだけあったら、どうだろう…内容にもよりますが、リサーチ含めて1万円くらいの記事を2本は書けるはず。

そう思うと、ものすごくいやらしい考え方をすれば、「1万円寄付しますから、欠席して家で仕事させて下さい」でも、まだその方がお金にはなるわけですよ。

バブルス
バブルス
実際は、夜や空いた時間に仕事を振り替えたりして、収入が減らないようにはできているんですけどね。フリーランスのありがたいところです。

バザーは週末なので、もともとパートを入れていない人の方が多いかもしれませんが、もし普段土日にパートに出ているとしたら、休めば収入減に直結します。

外で働いていなくても、下のお子さんが小さかったりすると、実家からおばあちゃんに子守りに来てもらう人もいるでしょうし、交通費や、おばあちゃんにパートを休んでもらうこともあるかもしれません。

というわけで、人によっては数千~数万円単位の収入減というデメリットが生じる可能性はありますね。

ボランティアでバザー運営するメリット(得るもの)は

じゃあ、今回バザーのお手伝いをした私はすごく損をしてがっかりしているかというと…そうではなくて、トータルではものすごく得したと思っています。

単純に楽しい

まず良かったのは、(私がお祭り好きなため)単純に楽しいということ。

今回は仲良しのママ友同士でレジ係をしたので、終始笑いが止まらず…

「売れ残るの狙ってたお皿、さっきのカップルのお客さんが買っていったわ!」

「そうなんだ!手つないでラブラブだったね」

「うん、私なんかに買われるよりお皿も幸せだよ…(笑)」

等と話しながら、久しぶりの文化祭気分を味わうことができました。

ちなみに、私は仲良しさんだけでなく、初めての方と一緒に当番をするのも大好き。

「知り合いの輪の中では聞けなかったような情報交換ができる」などの現実的なメリットだけではなく、日頃は家でカタカタ文字を打っているので、たまに人と話すとほんとーーーーに活性化できます!

売れ残りの品だけで、1万円以上得した!

開催時間終了後、私たちスタッフにも、売れ残った商品を買える時間が設けられていました。

バブルス
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 最終的にはリサイクルショップに無料で引き取ってもらうのですが、その前に少しでも売れた方が良いですもんね。

実は、次女の制服は長女のお下がりなのですが、長女の方が背が高く、かなりサイズが大きかったんです。

やっぱり新しく購入しようかと話し合っていた矢先、バザーで欲しかったサイズが売れ残っているのを発見しました。

色褪せやほつれもなくキレイなのに、たたみジワがあったために見栄えが悪く売れ残ってしまったようです。

お値段、なんと1500円

新品はたしか13800円くらいだとか。

たたみジワはクリーニングに出せばキレイになるし、それも500円程度なので、この時点でもう1万円以上得してますよね。

さらに、私は日頃、使用済みの揚げ油を濾過するフィルターを使ってます。

これ、100円から最後には半額の6個セットで50円になってました。

定価で買うと約4,000円、ネットでも3,000円近くになりますね…!

さらに、次女が小学校時代のマフラーしか持っていないのでもうちょっとお姉さんっぽいのが欲しいと前から言っていたのですが、こちらも売れ残ってました。

もちろん新品です。

こちらはなんと25円

バブルス
バブルス
 25円ですよ、奥さん!

買ってもそんなに高くないとは思いますが、少なくとも1000円くらいはするのでは。

ここからは、無理に買わなくてもいいのですが私の趣味で購入した物たちです(^^;)

白い焼き物のミニお重。

和菓子やきんぴらなどの常備菜を入れたり、お正月は数の子や田作りを入れるのにも良さそうです。

これが150円

それから

佃煮や薬味を入れるのにぴったりな小鉢が3個セットで50円

バブルス
バブルス
家に帰ってから見たら、「たち吉」やった…!

食器類は完全に私のお楽しみですが、制服やオイルフィルターは必ず発生する予定の出費だったので、それが1万円以上も浮いたのが非常に快感でした!

もちろんしっかり働いて定価で買っても良いのですが、ママ友とワイワイ言いながら「よくそんなの見つけてくるね!バブちゃん目利き!」等とほめてもらえる快感よ…!(笑)

ということで私にとってバザーは、

  • お祭り気分が味わえて
  • 人との交流が満喫できて
  • 異常に安い買い物ができて

 

トータル大儲けという結果に終わりました。

ちなみに、バザーのお客さんの費用対効果は?

おまけとして、今回、バザーに来るお客さんを観察していて色々と考えたので、ついでに費用対効果を考察してみます。

私も、あまりの激安ぶりに、来年からは(開催するなら)お客さんとして来るぞ!と意気込んでいるので(笑)。

開場1時間前から並んで買うのはトクなのか?

今回、開場は朝10時でしたが、入口前には、寒い中1時間前から並ぶ人の姿が…!

その中には、転売目的のリサイクルショップ経営者もいます。買う量もハンパないし、雰囲気からして違うので、一目でそれと分かるんですよね。

そういうプロは別として、ほとんどは近所のご老人や主婦の皆さま。

一応、洗剤やタオルは確実に売れるので、プロの買占めを防ぐ目的からも、一人3点までと決められていました。

それでも、300円の洗剤を100円で3個買ったら200円×3=600円浮きます。

それ以外に、いずれ買う予定だったものが安く買えれば、1時間並んでも1,000円くらい浮いたことになり、時給換算すると悪くないのかも…!

とママ友に言ったら、

「バブちゃん、金の亡者!」

と笑われました…(*´▽`*)

こんなすてきなお客さんも

レジで接客した中に、おばあちゃんと姉妹のお孫さんが来られていました。

「毎年この子たちと来てるんですよ。前の晩に1000円ずつお小遣いをあげて、バザーで好きなものを選びなさいねって。」

女の子たちは、可愛いぬいぐるみやポーチ、マンガなど、思い思いの戦利品を手にしてうれしそうでした。

「でも今日は少し予算オーバーしちゃってね、おまけで50円だけあげたのよ」

ママ友と私「よかったですね~!素敵ですね~!(くっ、目から汗が…!)」

おわりに・バザーの費用対効果、結局どうなのか

ということで、今回バザーにスタッフとして参加してみて分かったのは、

中学校のバザーとは

スタッフが無償である限りは、元手不要で収益が上がる仕組み

運営スタッフをするのは楽しい体験(人との交流が苦手でなければ)

欲しいものが安く買えればすごくトクすることも

…と、はっきりしない結論で申し訳ありませんが、私にとっては、仕事時間が削られる以上にエキサイティングでお得なイベントでした。

ただ、負担に感じている人も総動員してまでやるべきなのか…という実行委員さんの悩みもよく分かります。

1回やってみると段取りも楽しさも分かるので、過去にきょうだいで経験した人も含めて「バザー実行委員」を役員以外からも募り、希望があれば継続してもらうとか、その場合はベネフィットを充実させるとか…ですかね?

PTAの運営については本もいろいろ出ています。

PTAの運営や改革を、全国の実例を挙げて紹介した本。後半、憲法学者監修の「なにをするとアウト?法律からみたPTA」の章も役立ちます。

元新聞記者の著者は、「PTA」ではなく、「応援団」を意味する「PTO」を立ち上げ、ドラッカーの経営学に基づいて改革を成し遂げます。そもそも「PTA」って何?ということから再確認できる本。

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金髪&ヒゲ&サングラス、フリーライターの著者が小学校のPTA会長をつとめた3年間をとおして、PTA実態と改革のヒントを描いています。「PTA会長になる資質。それはおっちょこちょいであること」読み物としても非常におもしろくおすすめ。

PTAバザーの存続で悩んでいる方や、バザー運営側ってどんなもの?と知りたい方の参考になれば幸いです。