育児&大人の成長

挨拶(あいさつ)ができない子供のことで悩んでいるママに知ってほしいこと

恥ずかしがっている子ども(EC)

的外れなアドバイスが多すぎる!

指をさす写真

先日、「挨拶(あいさつ)ができない子供」についての記事を書く機会があり、「うちの子、〇歳なのに外であいさつができないんです」というママの悩みを300件くらい読みました。

どのお母さんも、「私自身は誰にでも率先してあいさつしています」「家でも夫婦や親子で挨拶を欠かしません」と口を揃えています。

そりゃそうですよね、ママ自身が「別にあいさつなんてどうでもいい」と思っていれば、わが子が他の人にあいさつしなくても悩まないでしょう。

悩んでいるママは、あいさつの大切さが分かっていて、自分自身「ちゃんとあいさつする人」なはずです。

だからこそ、わが子にも気持ちよくあいさつできる子になってほしいし、あいさつしないことで他人を不快にさせたり、自分が嫌われて損したりしてほしくないと願っているに違いありません。

な・の・に

ネットの掲示板やQ&Aの答えを見ると、

親はちゃんとあいさつしてますか?
親が見本を見せるべき。きちんと挨拶していれば子供もできるようになりますよ
私は自分が率先して挨拶している。だからうちの子も挨拶できるようになりました

という回答が本当に多くて。

バブルス
バブルス
悩んでるママたち、「自分は欠かさずあいさつしてる」って言うてはるやん!!!それでもできないから困ってるんやん!!

と何度もツッコみそうになりました。

今回は、業を煮やしたバブルスが、

  • 親がちゃんとあいさつをしているにも関わらず
  • 家や園などではちゃんと人と関われているんだけど
  • 外で他の子のように元気にあいさつができない

…そんなお子さんを持つ悩めるママに、応援の意味を込めて「知っておいてほしいこと」を書きました。

よかったら参考にして下さいね。

家ではできるのに、外では挨拶(あいさつ)できない理由

歩く親子の写真

もし本当に「家族があいさつしていないせいで、子どもにあいさつの習慣がない」というなら、今日からあいさつの見本を見せればいいだけなので、むしろ話はカンタンですよね。子どもは大人より新しい習慣を身に付けるのが早いですから、3日もすればすぐに習慣になると思います。

(※発達に気になるところがある場合は少し異なりますが、それはまた別の記事で)

そうじゃなくて、悩んでいる人は、ほとんどが「家ではできるのに…」というもの。

理由はいくつか考えられます。

タイミングがつかめない

ママに経験がないとピンとこないかもしれませんが、苦手な子には、適度なタイミングで声を出すのが本当に難しいこともあります。

ママと相手があいさつを交わし、次は自分も「こんにちは」って言うべきなのは分かってる。でも、ママと相手が「この前はどうも~」とか話し始めた。いつ言おう、どうしよう。変に大きな声が出ちゃったらどうしよう…と迷っているうちに、タイミングを失ってしまうんです。

子どもがそんなに気を使わなくたっていいのに、と思いますよね。別に話をぶったぎって「にちは!」って叫んだとしても、子どもらしくてほめられこそすれ、顰蹙を買ったりしないでしょう。

でもどうしても言い出せないんです。笑われるのも怖いんです。分かります。私が子どもの頃、このタイプだったので…(笑)。

相手が誰か分からない

たまに会う程度だと、子どもにとっては誰だか分からない相手もいますよね。そういう時でもすぐになじめる人懐っこい子は誰からも可愛がられやすいです。

でも、知らない人と気軽に話せない子は話せない子で、「慎重」というすごい長所を持っているんですよ。

とにかく恥ずかしい・内弁慶

こちらも一定数いますよね。

特に、男の子が恥ずかしがり(外だけの場合も含め)だと、パパがモヤモヤしてしまうケースが多いと思います。

でも、背の高さや食の細さが一人ひとり違うように、恥ずかしがりなのはその子が悪いわけじゃないです。

スパルタで育てようとしても、たぶん成功するのはまれ。(ていうか、パパの思い通りの態度が取れるようになったとして、それは”成功”なのか?と思いますし)

それよりも「自分はダメな子なんだ」という否定的なセルフイメージを抱いてしまうなど、百害あって一利なしではないでしょうか。

新しい環境に慣れるのに時間がかかるタイプ

窓から家の外を眺めている写真

お正月に親戚が集まった時や、新しい習いごとのコーチなどに、ママから促されてもなかなか声が出せない子もいますよね。

しかも、なぜかまわりにハキハキあいさつできる子(たいがい年下)がいたりして、ママは相手に申し訳ないやら、自分の育児がなってないと思われていそうで辛いやら。

でも、新しい環境に慣れるスピードも一人ひとり違います。

たいてい、コーチにも何か月後かにはちゃんとあいさつできるようになるので心配いらないのですが、親戚だと慣れた頃に帰ることになってしまうのが「あるある」です(笑)。

親にあいさつしてるところを見られるのがきまり悪い

こういうタイプの子は、4~5歳くらいで、わりと精神年齢が高めの子に多いです。

この頃から子どもは自分自身を客観視できるようになってきますが、中には、あいさつやお絵かき・お遊戯など「大人に言われるがまま、無邪気に行動する自分」が照れくさくなってしまうんですね。

特に、その姿を自分の親に見られるのはもっともイヤみたいです。

だから「園ではちゃんとあいさつできているみたいなのに、朝の登園時はいくら言っても”おはようございます”が言えないんです」というママの話もよく聞きます。

私の娘たちの同級生でも、幼稚園時代から小学校低学年にかけて、何人もそんな子がいましたよ。今、中学生や高校生になったその子たちを見てみると…おお、みんな頭のいい子に育ってますね!おもしろい共通点。(もちろん、ちゃんとあいさつもできてます)

意外と正しく相手を見ている

最後に、番外編というか「子どもの頃、あいさつできずに叱られていた」という人の話を聞きました。

彼女は、幼稚園の担任の先生にどうしても朝のあいさつができなくて、よくお母さんにも叱られていたのですが、頑として卒園まで”おはようございます”を言わなかったそう。

理由はなんと「その先生は大人と子どもの前で態度がコロッと変わるので信用できなかった」からだとか。

私が今まで出会った保育士さんや先生は、誠心誠意頑張って下さる方がほとんどだったので、珍しいケースだとは思いますが…。

他にも、「母が自分にあいさつしなさい!って叱る時、私(子ども)の気持ちより、世間がどう思うか気にしてるんだなというのが伝わってきて素直に聞けなかった」と話す人もいました。

子どもって、けっこう本質を見てますよね。

スキマからのぞく子どもの写真

あいさつの必要性をどう教えたらいい?

そもそも、「あいさつ」って、なんでしないといけないのでしょうか?

子どもに「あいさつは大事なんだよ」と言い聞かせるなら、理由も話してあげたいですよね。

理由なんて必要ない、あいさつくらい皆ができて当然。できないとおかしいと思われる。型として身に付けておくのが常識なんだよ!というのも一理ありますが…。

おはよう」「こんにちは」「さようなら」などは、もともとは長いあいさつを縮めたもの。

語源は以下のようなものだそうですよ。(諸説あります)

おはようの語源

「お早う(=お早い時間)から、ご精が出ますね、お元気で何よりです」

 

こんにちはの語源

「今日(=きょう、こんにち)は、お元気ですか?」

ちなみに、「こんにち””」と書かれることがありますが、上の成り立ちから考えると「」が正しいんです。私も昔知らなくて使ってたことが…(恥)ライターの勉強中に知りました(^^;)

さようならの語源

「(夕方になった等で)左様なら(=それなら)ば、そろそろ帰りましょうか」

こう見ると、「あいさつ」って、出会ったときは相手の体調や気分を気遣い、別れる時には相手の都合を気遣う、そんなやりとりからできた言葉だったのですね。すてき。

とはいえ、小さい子にそこまで長々説明するのは無理だと思うので(笑)カンタンに、

会った時におはようって言ってもらえたら、言われた人は気持ちがいいんだよ

というように、相手への思いやりであることを伝えてあげれば良いのではないでしょうか。

同時に、あいさつは「今日最初にあなたに会いました」「今日はこれでお別れですね」という「区切り」のことばでもあります。

おはようって言ったら、あなたと○○ちゃんの一日が始まるんだよ!」と話すのもよさそうです。

「あいさつの見本を見せる」以外、親にできることはある?

では、最初に書いた通り、親が率先して挨拶している場合、他に何かできることはあるでしょうか?

私は、親が見本を見せていたら、もうそれ以上あれこれ頑張らなくてもいいやん…とも思います。

バブルス
バブルス

時期がきたら、みんなできるようになると思うよ…

しかし、外野が色々と口うるさいこともあって、ママの心が休まらない場合は、次のようなことを心にとめておくと良いのではないでしょうか。

あいさつできない時は叱らない・責めない

近所の人に会った時、子どもがモジモジしてしまったら、その場ではママが肩に手を添えて「こんにちは」と一緒に言えた、というテイでいいと思います。

その場で叱ったり、あとから「なんでちゃんとできないの?」と責めたりせず、たまに「さっきは恥ずかしかったの?」と聞く程度にとどめてあげて欲しいと思います。

それで子どもが「声が出なかったの」などと理由を話した場合、「恥ずかしがっちゃダメ」等ではなく、「そうか、声が出なかったんだ。緊張する時あるよね」と、まずはできないことに共感してあげて下さいね。

「次はがんばって声を出してみる?」は、そのあとで。

焦らない・他の子と比べない

ブランコに乗る子ども

保育園・幼稚園・公園・児童センターなど、たくさんの子が集まる場所だと、ハキハキあいさつできるよその子につい目が行きがちですが、得意なことと苦手なこと、成長の方向性などは本当に一人ひとり違います。

わが子ならではのいいところも沢山あるし、他のママはあなたから見えない別の部分で深く悩んでいるかもしれません。

他の子と比べないで…と口で言うのはカンタンだけど、とても難しいことでもあります。

だけど、子ども自身に向かって「○○ちゃんはできるのに、どうしてできないの?恥ずかしいな」等と言うのだけは最低限やめてあげて下さいね。子どもはとても傷つきます。

心の準備も有効

内気な子には、いきなり会って元気にあいさつ…というのはハードルが高いもの。

久しぶりに親戚と会うなどの前日には、

「明日、○○のおじちゃんのところに行くんだけど、最初に何て言うか分かるひと~?」

などとクイズ風に練習してみたり、

向こうから近所の人が歩いてきた時には

「ママのお友だちの○○さんが来たよ。こんにちわって言ってみようか」

などと教えてあげると、多少なりとも心の準備ができますよね。

できたら一緒に喜んであげよう

もし、蚊の鳴くような声でも、外の人にあいさつができた時は、ぜひ一緒に喜んであげて下さいね。

「えらいね」「よく言えたね」と”ほめる”のも勿論悪くないですが、あいさつができたことで喜ぶのは、まず言われた相手、そして子ども自身です。

「ちゃんとできて、親の私が満足したからほめる」

というスタンスよりも、

「気持ちよくあいさつを交わせてよかったね!」

という立場で声をかけてあげてほしいと思います。

あいさつ運動は続けよう

ママ・パパがいくら頑張っても、たちまち子どもが何かできるようになるとは限りません。

でも、すぐに結果を求めず、親が気持ちよくあいさつする姿を見せたり、あいさつのメリットも根気強く伝え続けてほしいと思います。

おわりに

こうやって見ると、冒頭の「外であいさつができないのは親が見本を見せていないから」というアドバイスは、実際の子どもの気持ちとはかなりかけ離れていることが分かっていただけたかと思います。

私自身、子どもの頃は「できない子」の気持ちに近かったから、今回はちょっとひいき目になってしまったかもしれません。

でも、こんな私でも、添乗員として世界中にお客様を案内したり、初対面の方と取材で楽しくお話したり、絵本の講師として登壇したり、楽しみながら生きています。

バブルス
バブルス

もちろん今でもめっちゃ人前で緊張はしますよ~!

なので、どうか心配し過ぎず見守ってあげて下さいね。

周りの人も、直接・間接に「親のしつけが悪い」みたいに追い込まず、みんなで親と子どもを温かく包んであげてほしいと願っています。

以上、【挨拶(あいさつ)ができない子供のことで悩んでいるママに知ってほしいこと】でした。参考になれば幸いです!

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