近頃、お母さんが使っていた振袖を娘が成人式で着る「ママ振り」がじわじわ流行しています。
うちの娘(18歳)の成人式も『ママ振り』に決め、先日、予約申し込みを済ませました。
わが家の体験談に基づき、予約の段取り、小物の選び方、レンタルしたものと購入したものは何か、そして全体の予算などを解説します!
いまブームの「ママ振り」とは?メリットとデメリット
ここ数年、成人式シーズンになると、TVのニュース番組でも「ママ振りが人気です」などと取り上げられることが増えてきたため、耳にしたことがある人も多いかもしれません。
「ママ振り」とは文字通り「ママの振り袖」、つまり母親が若い頃に来ていた着物を娘の成人式で着ることです。
時代は「余分なものは持たない」ミニマムな暮らしが主流になりつつあり、娘世代もファッションの感覚がグローバル化していて「自分の振り袖」に対する憧れや欲求はかなり薄くなっていると言ってよいでしょう。
2018年のあるアンケートでは、新しく購入した(買ってもらった)人は10人に1人で、レンタルが約半数。
さらに、なんと5人に1人は「ママ振り」だったという結果も報告されています。
これは一大ブームと言っていいかもしれませんね。
「ママ振り」のメリット
私の手元にある呉服屋さんや写真館のパンフレットを見ると、レンタルの場合、振袖と小物フルセット・着付け・ヘアメイク・写真撮影とすべて合わせた費用は、安くてもだいたい30万円前後。
人気タレントプロデュースの着物や、小物のグレードを上げれば50万円を超えるものも少なくありません。
しかし、あとで詳しく書きますが、振袖・帯などを持ち込むとぐっと予算が抑えられます。
また、母と娘が時代を超えて同じ着物を着るのは、当日もあとから写真を眺めたときも、親子の絆が感じられてとても素敵ですよね。おじいちゃんおばあちゃんも健在ならきっと喜んでくれると思います。
さらに、レンタルの振袖はやはり流行の柄が多く、当日の会場や集合写真で誰かとそっくりの色柄…という場合がありますが、「ママ振り」は人とかぶる可能性は限りなく低いです。
「ママ振り」のデメリット
こちらも後で書きますが、振袖はママの時代のものを使えたとしても、小物類(とくに帯まわりや髪飾りなど目立つもの)は、20~30年も経つとどうしても古臭く感じられ、使えないことがあります。
成人式にはレンタルで対応したとしても、その後、友人の結婚式などで着る時に小物がない!という事態に…。結局小物をひととおり買わなくてはいけなかったり。
また白地や淡い色の振袖は、保存しているうちに変色してしまうことがあり、日が近づいて開いてみたらビックリ!あわてて染み抜きに出さなければいけないし、費用もかかります。
さらにママと娘で身長や体型が大きく違うと、仕立て直し費用が発生することも。
着物は洋服と違ってかなり調節がききますが、ママが身長150cmで娘が170cmなど極端に体型が違う場合は、残念ながら小さくて着られないということもあり得ます。
そして、着る本人の意向も忘れてはなりません。
母親が、「ぜひ着てほしい」と思っていても、どうしても本人の好みでなかったり、色柄が顔に似合わなかったり…という可能性もあるので、時にはあきらめなければならないことも。
そういう場合は無理にママの希望を通さず、レンタルや購入を考える勇気も必要かもですね。
「ママ振り」で成人式に出る場合、どこに頼めばいい?
成人式の振袖は、呉服屋さんやデパートで購入→近所の美容院で着付けとヘアメイク→写真館へ移動して撮影→会場に向かうという流れが多いと思います。(写真だけは前撮りしておくパターンもあります)
レンタルの場合、たいていは着付け・ヘアメイク・撮影がセット料金になっていることが多いですね。
着物と小物一式を宅配で送ってくれるお店もあります。その場合は同じく、近所の美容室や写真館を探して予約します。
では、「ママ振り」を利用する場合、どこに何を頼めばいいでしょうか?
私も分からなかったので、当時の職場の先輩に聞いてみたのですが、皆さん購入派で、ママ振り派の人はいませんでした。
「ママ振り」を着ることは決まっていて、小物一式も揃っている場合は、美容院と写真館の予約でOKということですね。
ただ、うちの場合、髪飾りなどがいかにも古臭くて、40代の私から見てもこれは無理!という感じだったのと、成人式特有のアレ「ふわふわの白い羽根ショール」もなかったので、小物をどうするかでちょっと迷っていたんですね。
わが家の結論「ママ振り」持ち込みOKのレンタル屋さん
結論からいうと、わが家の場合は、レンタル・ヘアメイク・写真撮影をやっている成人式専門の業者さんで「ママ振りセット」というコースを予約しました。
成人式の着物って、どこから名簿が出回っているのか知りませんが、2年も前からセールス電話がバンバンかかってくるんですよね…。
最初は毎回、「なんでウチの個人情報を知ってるんですか?!」とキレ気味に返事していたのですが、どこの人も「『寿(ことぶき)名簿』というのがございまして…」としか言わない。
役所や学校以外では、某し〇じろうの通信教育と、神社のお宮参りや七五三のご祈祷くらいでしか子どもの名前や生年月日は書いたことないと思うのですが…神社怪しいな…。
しかし、だんだん、”もういいや、最後はどこかに頼まなきゃいけないし、とりあえず情報だけでも聞いてみよう”と思いはじめ、「わたし(母)の振袖を使いたいんですが…」と聞いてみました。
すると、「うちではお母様の着物はお取り扱いできません」という店と、「振袖以外をうちでお申込みいただければOKです」という店があることが分かりました。
で、その中から比較的感じがよく、成人式当時、会場近くのホテルを貸し切って、着付け・メイクをやってくれるというレンタル屋さんにお願いすることに決めました。
とはいえ、そこの小物の品ぞろえも見てみないと分からないし、身長は近いとはいえ本当に娘がママ振りを着られるのか確認したかったので、一度、親子で出向いてみることに。
それが18歳(高3)の夏休みでした。
「ママ振り」でも、早めに段取りした方が良い理由
「何で手元に着物があるのに、2年も前に予約したの?」
と思われるかもしれませんが、「ママ振り」でも早めに動いた方がいい…というか、早く動かない理由がありません。
第一に、成人式は結婚式や旅行などと違って、2年前でも確実に日が決まってます。
引っ越しなどの可能性はありますが、その場合はキャンセルすればいいだけ。よほど直前でなければ、大物(振袖)を押さえていないため、キャンセル料も無料または安くで済みます。
第二に、着物は洋服より流行の変化がゆるやか。しかも、着物自体は決まっているのだから、仮に流行が変わっても関係ないですよね。
第三に、着付けやヘアメイクの予約は、いちばんいい時間帯は2年前でもどんどん埋まっていきます。
当市の成人式は午後1時からですが、近所の人に聞くと朝6時・7時から美容院という人も珍しくないです。
でも、早い時期に予約すれば、10時頃のちょうどいい時間に予約が取れるんですね。
会場へ向かう国道は、毎年、朝から大渋滞になるので有名ですし、雪でさらに交通がマヒした年も何度かありました。
ほどよい時間に会場近くで着付けしてもらえるのはすごく安心だなと私も思ったので、まぁセールスに負けた形ですが、早く決めて正解だったと思っています。
大掃除の記事でも書いたと思いますが、私は自分の意志で面倒なことを早め早めに済ませるのが苦手なので…自力で探すとなると、先延ばしにして忘れたり、ずっと気が重いままだったりしていたに違いないです(笑)。
「ママ振り」でレンタルしたもの、購入したもの
さて、「めんどくさいから行きたくない」と言う娘をなだめすかして着物屋さんに連れていき、私の「ママ振り」に袖を通してみました。
娘はヘアメイク無料体験ということで別室に行き、キレイにしてもらって登場。
その後、半襟や帯揚げ、紐を選んだり、着物に合うよう帯結びを決めたり…
20年以上前の振袖ですが、もともと古典柄ということもあり、小物を今風にしてもらったらなかなかいい感じだと思いませんか?
結局、レンタルしたものと購入したもののお値段は…
- 帯締め 11500円
- 帯揚げ 9200円
- 重ね衿 4800円
- ファーショール 9800円
- 刺繍衿 8800円(ここまでレンタル)
- 髪飾り(のみ購入)9350円
- 写真撮影 34800円
- 当日ヘアメイク 10000円
〆て、98250円(税込み)でした。
しかし、全て買い揃えたり、一式レンタルしたらこのお値段で済まないのは分かっていただけると思います。
なお、長年保管している間にシミができていたり、裄(ゆき=長さのこと)を伸ばしたりという作業が必要ならもう少し手間賃が必要になるかもしれません。
トータルで、レンタルや新規購入と価格を比較してみて一番納得できるパターンを選ぶのがいいと思います!
おわりに
お子さんの成人式はまだまだ先という人も、もうすぐという人も、もしママの振袖が眠っているなら、一度「ママ振り」も検討してみてはどうでしょうか?
レンタルよりも、20~30年前に購入した着物の方が上質だというのはよく聞きますし、アレンジ次第で今風にできればとても素敵に着られるはず。
参考になれば幸いです!