先日、15年間兼業でライターを続けてきて今年から専業ライターになった私が、「良かったこと&メリット」を考えてみたら21個も浮かんできました。その時の記事はこれ。
じゃあ、良くなかったこと&デメリットは?と考えてみると、今のところ、大して見つからないんですよね(^^;)
それでも、「今後ライターでやっていきたい」「専業ライターってどんな感じ?」と思って調べてくれた人の役に立てば…と思い、いくつかひねり出してみました。ぜひご参考に!
有給休暇がない
フリーランスの仕事は数あれど、ライターは基本「作業時間=収入」ですから、急な病気や冠婚葬祭などで仕事ができない場合、収入減に直結します。
その点、お勤めなら有給休暇があるので助かりますよね。
ただ、そもそも派遣や多くのパートには有給休暇がありません。もしあっても年に数日だと思います。
私も、唯一、国家公務員(臨時)だけは7日間の有給がつきましたが、それ以外は有給なんてまったくナシでした。
頭打ちの年収+数日間の有給休暇のセットをとるか、有給はないけど自分の裁量で年収そのものを増やす方を選ぶか…と考えると、後者の方がトータルで手取りが多くなるのではないでしょうか?
要するに、まともな会社で正社員をしていた人をのぞいては、「有給休暇がない」ことにそこまでのデメリット感はないのでは。と思います。
時給は自分次第
これも、メリットでもありデメリットでもありますね。
1万円の記事を、二日間朝から晩まで8時間ずつかかって書いたら時給600円で最低賃金下回りますし、午前中3時間で書き上げれば時給3300円以上。
自分の得意分野であれば、脳内でどんどん文章が組み上がっていき、客観的根拠が必要な部分だけをリサーチしていけばいいので、時給換算すると非常に高くなることもあります。
いつ仕事が途切れるか分からない
いまお引き受けしているお仕事は特に期限の定めがないものと、紙媒体で「1年間連載」というもの、WEBで「180記事で完了」というものなどがあります。
たくさんお仕事が重なっている時は何も思わないのですが、期限のあるお仕事が完了すると、ふと、このまま全部終了したらどうなるんだろう…と考えてしまいます。
振り返ると、たいていその前に次のお仕事が入ってくるので実際そうはならないのですが、この「仕事が全部なくなったら…?」という不安はライターに限らず、ありとあらゆるフリーランス・事業主共通のものだと思います。
来年の自分や3年後の自分がどんな仕事をしているのか、具体的に浮かんでこないというか。
といっても、私も一度、事業部閉鎖でパート全員解雇という目に遭ってますし、「派遣切り」も社会問題になっています。
もっと言えば、企業勤めだって倒産やリストラの可能性ゼロではないし、会社が大丈夫でも、自分が病んでしまえば職を失うことも…。
「先が見えない」のが、フリーランスだけのデメリットとも言えない世の中になってきていると思います。
仕事とプライベートの切り替えがあいまいになる
これもフリーランスあるあるですよね。
特に、(男女問わず)家事育児のメイン担当だと、朝9時~5時まで仕事に集中し、時間が来たら一切仕事しない…という生活パターンは難しいと思います。
どうしても昼間に用事を済ませたり、急に晴れてきたからもう1回洗濯したり、子どもがケガして病院連れていったり…しませんか?
で、その分の作業量を確保するために、夜や早朝に作業をしたり。
さらに、テレビ見ててもメモしながら次の記事の材料にしてたり、お出かけと取材と撮影がワンセットになってたり、夜中にふとアイデアが浮かんだら、忘れないうちにスマホに音声入力したり…と、精神的にもここまでが仕事・ここからプライベート、と切り分けられないこともたくさんあります。
もし家族や自分自身がそういうスタイルを受け入れられない場合は、これもデメリットだと言えますね。
体調を崩した時のリカバリーが困る
先日、下の親知らずを抜きました。
かなり埋まっていて歯茎の切開など大掛かりになるので、1泊入院しました。
(その時の記事もよかったら読んで下さいね↓)
毎日納品のクライアントワークがあるので、入院中の分は前倒しで書きましたが、急な病気だとそれもできないので困りますよね。
会社勤めなら、年に数回急病で休んだとて信頼を失ったりしないと思いますが、フリーランスの場合、タイミングが悪いとたった1回でも信用を落としてしまいます。
特に付き合いの短いクライアントさんからは「この人は無責任だ」と思われても仕方がないこと。
人間誰でも病気になるから仕方がない、運が悪い…ということもできますが、もしそうなってしまうとやっぱりガックリしますよね。
さいわい今のところ経験はないですが、いつ起きても不思議ではないので、
- 体調管理
- 日頃から早めの納品スケジュールを組む
- 万が一のスケジュール変更に快く応じてもらえるような信頼関係
…は基本ですね。
ネットの世界にいない偉人と会う機会が減る
今までの人生で、「この人を心から尊敬している」という人、どのくらいいますか?
その人は、ネットの中で出会える人ですか?
私はもう40代なので、尊敬する人との出会いも過去にたくさんあり、ゆうに100人…いや、もっといるかな。
でも、そのうち、ネット上で出会える・発信している人というのは2割もいないです。
「なんてステキな人なんだろう」と思う人は、ごく普通の会社員だったり主婦だったり先生だったり近所の人だったりします。
私の今までの職業でいうと、一番そういうステキな人と出会える機会が多かったのは添乗員時代でしたね。
サービス業は単純に出会う人の数が多いですし、中でも、長時間同じメンバーで過ごす海外旅行ツアーではより深く人柄に触れることができます。
添乗員としてカナダに10日間行ったとき、78歳と81歳でツアーに参加された姉妹のお客さまがいたのですが、このお二人が本当にステキで…。
「記念撮影しましょうか?」
と声をかけると、
「いえいえ、もう将来写真を見返す年でもないから、私たちは全部この目で見ることにしてます」
と笑顔でお断りされたのを今でも覚えています。
フリーランスになってからは、どうにも相容れない人とは関わらなくてすむ自由がある反面、偉人と出会うチャンスも減ってしまい、そこだけはかなりのデメリットだと思っています。
なので、「取材」の仕事は最高のチャンス。準備も大変だし緊張するけど、いつも優先してお引き受けしています。
相談したり、愚痴を言い合う相手がいない
今までの仕事では、たいてい同期や同じ立場の人が職場にいて、「こういう場合ってどうしたらいいかな?」「これって私の認識が間違ってる…?」と相談できたのですが、フリーランスは基本、やりとりする相手は上司や同僚ではなく、クライアント(お客さま)なので、相談したり愚痴を言う相手はいないのが基本。
自由な分、孤独です。
といっても、孤独に耐えられなくなったら、SNSやコミュニティで、自分で仲間を見つけていくことはできます。
ただ、誰でも出入りできる場は、どうしても人数が多過ぎて関係が薄くなったり、ポジションの取りあいみたいになって疲れてしまう…という難点もあり、最近の流れとしては、有料のクローズドなサロンに人や情報が集まる傾向があります。
オンラインサロン(ネット上で学んだり情報を得るもの)は、月に500円~1000円程度でも参加できますが、いちばん多いのは月3000円~5000円前後だと思います。
ライターで生計を立てている人なら、入るとしても2つ3つというところではないでしょうか。
入ってみたら、思っていたような「これってどうなの?」と相談できる感じとは違った…という可能性もあるので、サロンやコミュニティに入りさえすればOK、というわけではなく、「自分にとって価値があるか」を常に見直していくことが大切ですね。
おわりに
こうして見てみると、デメリットもたしかにありますが、それは必ずしもフリーランスだけのものではなく、非正規雇用でも正社員でもありうることだと感じました。
それ(デメリット)が致命的なことでないなら、「どんなデメリットがあるか」より「自分にとって何が最大のメリットなのか」に目を向けて働き方を選ぶのが吉だと思います。