18歳が初めての選挙に行くまで
春先、高校3年の娘あてにハガキが届き、そこには「あなたは金の卵です!」というメッセージが。
一瞬なんのことかと思ったら、選挙権のお知らせだったのですね。
18歳成人は、少し先の2022年(いま2018年)ですが、選挙権は2016年からすでに導入されています。忘れてた…。
娘にとっては、部活の先輩が去年投票に行っていたのを見ているし、当然行くものと思っていたようですが、過去の18歳と、その子たちの一年後である19歳時点の投票率を見てみたら…低いんですね!
2016年 参院選 | 51.28% |
2017年 衆院選 | 33.25% |
全世代の投票率は54%前後。それも低いな~と思いますが。
衆院選は解散→選挙の日程が急だったなどの理由もあるようですが、19歳の3人に1人しか行かなかったのか。
投票の意義を問われ、説明に詰まる
前日、候補者たちの公約を眺めていると、「この人はすごいよさそうなことを書いてるけど、実現できるの?」と娘に聞かれました。
たしかに、「○○が無償化」など、叶えられればもちろんいいけど、明らかに財源が足りなさそうな公約もあります。
娘「それって投票する意味あるの?行きたくないっていう意味じゃないけどさ。」
うん。そう言いたくなる気持ち、よく分かります。ハズレばっかり(かもしれない)の中からなんで選ばきゃいけないのか?そう思うから、若者だけじゃなく全世代が投票に行かないんでしょうね。
娘「・・・」
でも大丈夫!ここは、私よりもずっと役立つ内容の本があるので、その力を借りることにします。
出口治明氏『人生を面白くする本物の教養』で説明
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この本は、ライフネット生命CEOである出口治明氏が、ロンドンをはじめとした海外生活の経験から、「教養は単なる知識ではなく、人生を豊かにし、世界と対等に渡り合う上でなくてはならないもの」という確信と、そのために何をすればいいかを述べた本。
まったく飾らずサバサバとした語り口で非常に分かりやすいので、高校生以上なら一気に読めると思います。
そして、第7章「教養としての時事問題(国内編)」では、英国の宰相チャーチルの言葉を引用して選挙についてのとらえ方を解説しています。
「選挙とは、ろくでもない人のなかから、現時点で税金を上手に分配できそうな少しでもましな人を選び続ける忍耐そのものをいうのである」
(165ページ)
に続いて、
- だから、民主主義とは別に唯一無二のすばらしい政治制度なんかではなく、安易に信用してはいけない
- いい政治家を選んでいい政府を作るには、有権者の側も相当な努力が必要
- 政府と市民は敵対するものではなく、私たち自身が作るもの
ということが書かれています。
ここを娘に読ませたら、納得したみたい。
投票後、「感想は?」と聞いたら、「こんなかんたんな紙一枚で、政治が決まるかもしれないってなんか不思議な感じ」と言っていました。
とか、ベタなことを言おうとしましたが自粛しました(^^;)
時事問題も固くなく広く理解できる1冊です
本の後半は、「年金」「少子化」「中国」「エネルギー問題」など、リアルタイムでニュースに出てくるような時事問題が、出口氏の視点であくまでも分かりやすく解説されています。
私は、個人的に「子どもは社会(全体)の宝である」と何度も書かれているところに大賛成です。
少子化問題は、「子どもを持つと金銭的に苦しくなるし、世間の目も厳しいけど、自己責任でちゃんと生んでよ」みたいな社会のままでは絶対変わらないんですよね。
私は、子どもに不寛容な社会や男性の長時間労働なども併せて改善していかないと少子化解消は無理だと思っているので、ちゃんとそこに言及されているのがとても良かったです。
『人生を面白くする本物の教養』は、学生や若い人が社会問題をすんなり理解するのにぴったりだと思います。
そして、大人が子どもに時事問題を偏らず分かりやすく説明するための「虎の巻」としても超おすすめですよ!
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