ライター(とくにWEBライター)の皆さん、クラウドソーシングは利用していますか?
クラウドソーシングとは:
インターネット上で、仕事を頼みたい人と、仕事を引き受けたい人がマッチングできるプラットフォーム(場)のことです。
ネット上で時々見かけるのが、「初心者を卒業したら、クラウドソーシングから直接契約にスタイルを変えるべし」というライターさん向けのアドバイス。
その理由としては、やはり手数料負担が挙げられるのではないでしょうか。
取引金額に応じて、売り上げの20%程度をクラウドソーシング運営会社に支払うので、1万円のお仕事を引き受けても、手元には8000円しか残らない計算になりますよね。
直接メディアにメールを送ったり、SNSでお仕事募集を掲げて案件獲得すれば、その売り上げは全額自分の手元に入る…という考え方です。
ただ、私はライター歴16年(独立後4年目)と、まあまあベテランの域だと思うのですが、今でもクラウドソーシングでたくさん案件をお引き受けしています。
手数料だけで月に6桁超えることもありますが、それでもなぜ、クラウドソーシングでのお仕事を続けているのか…?
そこには、金額だけで語れない大きなメリットがあるんですよ。
今回は、そのメリットとは何なのか、そして少し慣れてきたライターさんこそ、さっさとクラウドソーシングを卒業せずにぜひ続けてほしい理由をお伝えします。
クラウドソーシングで実績が増えると起こること
「クラウドソーシングって、1文字0.1円とかの激安で書かされるんでしょ?」
「応募しても応募しても全然採用されない」
そんな話もよく聞きます。
たしかに、公開募集されている案件は1文字1円以下のものも多く、少し報酬が良いものは「○○業界で実務経験あり」などの専門性がある人限定だったりします。
でも、根気よく応募(提案)を続け、自分のスキルも上がってくると…直接、お客様からメッセージで個別にお仕事の相談が届くようになってきます。
初心者さん(と自分で思う人)は、ぜひこの段階まで続けてほしいんです。
その理由を以下に書きますね。
直接依頼をくれるのはこんなクライアント様
現在、私のクラウドソーシングのメッセージには、毎日のようにいろいろなお客様から新規のお仕事の相談が届きます。
残念ながら時間と身体は限られているので、お断りすることもしばしばですが…。
ちなみに、ランサーズではステータスを
- お仕事できます
- 案件によります
- 今は忙しいです
の3つに設定できます。
私はムダにお客様に時間を使わせたくないので、「今は忙しいです」にしているのですが、それでも「ぜひ」という方は打診して下さるようです。
そして、相談に来られるのはこんな方がとても多いです。
- 中小企業の社長
- 法人のWEBマーケティング担当者
- 個人事業主
皆さん、自社(または自分)のビジネスの責任者であり、案件の内容や予算の決定権を持っています。
なので、商品サービスの強み・どんなユーザーに向けて売りたいのか・目標などがはっきりしていて、こちらの提案を全力で検討してくれますし、お出しした見積もりに対して「価値がある」と判断すればしっかり払って下さいます。
こういう方たちとやりとりしていると、お仕事ぶりや考え方など、本当に学ぶことが多いんですね。
例えば、先日LP(ランディングページ)の執筆を企画から話し合ってお引き受けした会社の社長さん。
自社のサイトをとても大切にしていらして、サンプルができた時点で「ほかに改善点はありますか?」とおっしゃるので、1点だけアドバイスしたところ、5分後に「直しました!いかがですか?」と返ってきて「そういうとこ!(いい意味で)」と感動しました。
直接契約では、制作会社の方とお仕事することが多い
いっぽう、ライターを募集しているWEBメディアや個人への応募や、SNS・ブログを通じての直接契約では、制作会社や編集プロダクションとのお仕事になると思います。
もちろん、現状ではそれは王道のライティング案件獲得方法ですし、プロのWEBコンテンツ制作ノウハウが働きながら身につくというメリットもあります。
ただ、直接、エンドクライアントの法人さんとお話しして、どう売っていきましょうか…と考える楽しさ(もちろん難しさも)は体験しにくいし、さまざまな業界でビジネスをしている第一線の方の考え方に触れる機会は得られないんですよね。
私はそれが楽しすぎて、日々勉強になりすぎて、なかなかクラウドソーシングをやめられずにいます。
慣れてきたライターさんこそ、クラウドソーシングも続けるべき
というわけで、
「クラウドソーシングは初心者が激安で最低限の知識と実績を作る場所」
「中級者になったら、さっさと手数料の高いクラウドソーシングはやめて、直接契約に移行するべき」
という考え方もありますが、私は今回お話したような理由から、ぜひクラウドソーシング「も」やめずに並行して続けてほしいと思っています。
そもそも、直接WEBメディアから受注しても、メディア側とてエンドクライアントさんの予算から自社の利益を確保したうえで、ライターさんやデザイナーさんに報酬を払っているわけですよね。
- 法人A→制作会社へ100万円→予算を割り振り、ライターに8000円支払う
- 法人A→クラウドソーシングでライターに1万円支払う→手数料を20%おさめて手取り8000円
と考えてみると、結局大差ないこともあります。
むしろ、クラウドソーシングのほうが、営業・契約・請求の手間がなく、仕事をしたのに支払われないというリスクもなく、「この仕事断ったら今後にひびくかな…」と気にせずお断りできるなど、メリットも数多いかもしれません。
こんなルートもあり!
なお、クラウドソーシングを介さなくても、ライターとしてWEBメディアで書いているうちディレクターのお仕事も請け、お客様との担当窓口になり、大きい案件を担当して経験を積み、最終的に自分が制作会社やプロダクションを立ち上げる…というルートもあります。
ここまでいけば、直接エンドクライアントとやりとりしつつ、収益も確保できますよね。
ただ、それには一定の時間がかかります。
それと並行して、クラウドソーシングでいろいろな法人の社長さんや担当の方とお仕事するのは、自分が刺激を受けて成長する方法としてすっごくおすすめですよ!
というのが、今日のお話でした。
参考になれば幸いです。