ハワイが好きすぎ

『ハワイに住んでサーフィンしてたら会社やめちゃいました』ってどういうこと?

サーフィンのイメージ画像EC

『ハワイに住んで…』で始まるだけで、内容が気になる!

この本のタイトル『ハワイに住んでサーフィンしてたら会社やめちゃいました』をネットで見かけて、気になって即検索してしまいました。

「ハワイ」と見ただけで反射的に手が動く…もはや孫に目がない祖父母と変わりません(笑)。

著者は、バーデンダー→新卒サラリーマン→デザイナー→フリーター→カフェ経営→上場企業社長と様々な仕事を経てきた実業家の稲本健一さん。

常に、「いやなことはやらない」というポリシーに従った結果のユニークな経歴や、ついには社長すらも辞めてハワイで暮らすに至った運命の一日について綴られています。

経営したカフェ・飲食店は、ハワイや日本でも何度も見かける「ALOHA TABLE(アロハテーブル)」「Goofy Café & Dine(グーフィーカフェ&ダイン)」「HEAVENLY Island Lifestyle」「ZIGU(ジグ)」等々…おぉ、知ってる!

さっそく読んでみた感想は…

広告に大々的に「いやなことはやらない」とありますが、ふつう、お金を稼いで生活していこうと思ったら、そういう訳にはいかないんじゃない?と思いますよね。

じゃあいったいこの人はどんな人生を歩んできたのか?

が、前半では具体的に書かれています。

  • 厳しい部活がいやだったから3ヶ月で辞めた
  • 勉強がいやだったから編入試験に落ちて、芸術系の短大に行った
  • 就活がいやだったから親のコネで就職した
  • 満員の通勤電車と遠距離恋愛がいやだったから3ヶ月で辞めて地元に戻った

 

…などが、言い訳もせず、淡々と語られます。

その後も、デザイナーや飲食店経営を経てついには会社を年商100億円の企業に成長させるところまで一気に書かれているのですが、あっけにとられるほど次々に場面が変わるのと、世間を騒がせるようなドラマチックな経歴も淡々と書かれているためか、まるで現実離れしたミュージカルでも見ているような気になります

その途中には、きっとシリアスな場面があったはずなんです。

(実際、「お金を持って逃げられたこともたびたびあった」と。サラッと書かれてるけど。「たびたび」ですよ!)

私の日常サイズの感覚では、その変化のスピードと波の大きさについていけないくらいです。

これだけ読むと、さぞかしハングリーな人なのかと思ってしまいそうですが、意外にもそうではないのだそう。

それどころか「ハングリーでない自分にすごく劣等感がある」とあります。

著者が今までハングリーになれたことは一つだけで、「それまで世の中になかったお店や業態を生み出すこと」。

それだけは強い意欲と情熱があったものの、他のことに関しては「いやだから逃げる」で生きてきたそうなんですね。

いまの日本では、「石の上にも3年」じゃないけど、嫌なことでもまずは逃げずに取り組んで一定の結果を出すべき、という考え方が主流じゃないですか?

でも、それに従って「なんでも頑張ってしまう」人じゃないからこそ、本当に目指すべきものがはっきり見えるのかも…と思いました。

私がいちばん好きだなぁと思った一文は、これ。

小さい頃から、夢なんてなかった、夢って持たないといけないのか?と思ってきたが、50歳を目前に振り返って驚いた、そこには夢のような人生が広がっていた。

私もずっとそう思ってました。

はっきりと「サッカー選手」「お医者さん」などの夢があることはすばらしいです。

でも、そういうわかりやすい職業をみんなが目指すべき、っていうのは違うよな…って。

人生の中にポンと独立した夢があり、叶わなければ残念な人生…というのより、人生ぜんぶが夢だったら、そっちの方がいいですよね。

ハワイのことについては

本の内容は上記のような感じで、大きな仕事をする人が仕事観を淡々と語るとこうなるのか~というのを満喫できますが、私は最初、「ハワイに住んで」というところに反応したので、そこについてはどうかと言いますと…。

やはり、「いやなことはやりたくない人に、ハワイはよく合う」ことが再認識できます。

アメリカ人がハワイ諸島にやってきた当初、キリスト教の熱心な宣教師たちは先住のハワイアンを見て、「なんて怠け者でふしだらなんだ」と目くじらを立てたという話を聞いたことがありますが、実は文字がないだけで、口承で高度な文化もコミュニティも成立していて、キリスト教の世界観と比べるとずっと自然と人の感情を大切にしていただけなんですよね。

この本の中でも、”いい波が来た日はビジネスの予定を後回しにして、サーフィン優先”といった価値観を「アイランドルール」と呼んでいて、ハワイに住む人たちが自然に従い「いやなこと」や「やるべきこと」で自分を縛りすぎずに生きていることが分かります。

ハワイに住んでサーフィンしている描写は思ったより少なめで、全体の1割くらい?なので、そこを期待して買うとちょっと思ってたのと違うかもしれませんが、ハワイが好きな人はとても共感できると思います。

こんな人におすすめ

嫌なことでもちゃんとやろう、という日本の風潮がちょっと息苦しい

今より好きなことをする時間を増やしたい

起業して成功する人のマインドに触れてみたい