あらゆる文章をAIで執筆するのが当たり前になってきた2026年。
プロライターの私は、AI執筆そのものは全く問題視していませんが、SNS投稿でもWeb記事でも、違和感のあるAI独特の単語や用法を見るとやっぱりちょっと「あ…」となります。
少し前によくあった「AIバレ」単語はあまり見なくなったのですが、今、明らかにAIだよね~と思ってしまう単語の1位は…
「効きます」
だと私は思っています。
「完全ガイド」さすがに最近は見ないよね
最近のAIはますます賢くなり、当初よく指摘されていた「AIあるある表現」もあまり見かけなくなりました。
少し前まで「あ。この文章、AIで書いたんだな」と分かってしまう表現で有名だったのは、
- これにより
- 完全ガイド
- 成功の鍵
- その感覚、正しい。
…あたりでしょうか。
「完全ガイド」とか「成功の鍵」は、SEOのタイトルや見出しで特によく出てくる言い回しでした。
もし、あっちの記事もこっちの記事も「キーワード+完全ガイド」が乱立すると、Googleから独自性が乏しいと見なされたり、一時期の「いかがでしたか?」みたいに人間の読者から「またこれ~?」と嫌がられたりする可能性があります。
そうなると収益が下がって困る人々(私も含めたSEOコンテンツのライターや編集者)が、みんなでAIに「それは使わないで」とフィードバックやプロンプトで指示した結果、AIも学習してあまり使わなくなったのではないでしょうか(少なくとも私のAIはまったく使わないです)。
今一番「あーAIだな」と思うのは…
では、私が文章を読んでいて今一番「AIで書いた感が強い」と感じる単語はなにかというと、ダントツで「効きます。」です。
例)SNSで一方的に商品を紹介するのではなく、ユーザーが役立つ情報を継続的に発信する。これがブランドへの信頼獲得に効きます。
意味は合ってるのですが、従来の日本語の文章で「効く」を使うのって、おもに以下のような時だけだと思うんです。
- 薬や治療の効果を伝えるとき
→例)この痛み止めはよく効きます。 - 心身を攻撃されてダメージを負ったとき
→例)「おーっと、ここでジャーマン・スープレックスだ!これは効いている!」
だけど、AIはビジネスの打ち手から人間関係の改善までなんでもかんでも「効きます」と書いてしまいがち。
間違いではないのであまり気にする人はいないかもしれませんが、私はどうも「意味は合ってるけど、見慣れない言い回し」を見るとAIセンサーが反応してしまうんです。
AIは英語で「効きます」をどう言っている?
AIはもともと英語で思考しています。じゃあ、英語で「効きます」はどの単語か分かれば、この違和感の正体も分かるのでは?と思って調べてみました。
すると、「効く」の対訳・英語表現は1つではなく、文脈に応じて10以上も出てきたのです。
これは翻訳ではよくあることで、日本語の「よろしくお願いします」が英語には存在せず、ビジネスメールの末尾なら”Thank you for your help.”、初対面の仕事相手に「これからよろしく」なら”I look forward to working with you.”など、場面に合った表現を使い分けるのは有名な話です。
「効きます」についても、以下のように本来は色々な英語表現があるんですね。
- work:結果が出る
- be effective:効果を出す
- do the trick:片付く
- move the needle:数字が向上する
- pay off:コストに対する見返りが得られる
- land / resonate 訴求が刺さる
- have (an) impact / drive results:成果をもたらす
- be a lever / high-leverage:費用対効果が大きい
- kick in / take effect:じわじわ効果が出る
- compound:ボディブローのように積み上がる
しかしAIはできるだけ「誰にでも分かりやすくシンプルな表現」を心がけているので、おそらく小学校で習う漢字を使った短い言葉の「効きます」が最適解だと判断したのでしょう。
でもちょっとだけ、やっぱり、日本人の日本語の感覚と違うんだなぁ…。
でも、いずれは「効く」にも慣れていくのかも
とはいえ、言葉は常に変化していくもの。
過去にも、誤用でも、広く使われるようになるとそのうち「俗用」として認められ、辞書に載るようになった例もあります。
であれば、誤用ですらない「効く」が、AIの普及によって一般的になっていく未来も十分考えられますよね。
私が子どもの頃って、冷やし中華にマヨネーズをかける人は誰もいなかったんです。(初めてマヨネーズ掛けが登場した頃は、漫画でも「不思議な食べ方」と描かれていたほど)
でも、幼少期からマヨネーズの添えられた冷やし中華が当たり前だった今の若者は、町中華で出てきても別に違和感はないし、家で作る時も普通にマヨネーズを添えるはず。
それと同じで、薬やプロレス技以外でもひんぱんに「効きます。」が出てくる文章を読み慣れた人は、たとえAIを使わない時でもそれを当たり前のように書くのかもしれません。
とはいえ、2026年の今は、自分で書いた風のSNS投稿(※別にそれ自体はいいんですよ!しつこいですがまったく問題視してません)でも、↓みたいな感じで「効く。」が出てきたら、私はやっぱり「AIね~」と思っちゃうかも!です(笑)!
例)相手の立場になって考えることが、コミュニケーションに効く。「自分ならどう思うか」ではなく、「相手にはどう見えているか」と考えるのがポイントです。

